私はこれまで、特に脊椎疾患で長年苦しまれて来た患者様の診断・治療に従事して参りました。
主訴は、上肢下肢の疼痛しびれ(座骨神経痛を含む)、筋力低下、歩行障害、手指の巧緻運動障害、いわゆるくびや背中や腰の疼痛、肩凝り、長く歩けない、立っていられない、背中が曲がってきた、など多岐にわたります。多くは椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症、神経根症、脊髄症、圧迫骨折という病名で知られる病態、もしくはそこまでひどくはない加齢性変化の範囲内にとどまるもの、なのですが、稀な部類に入るものとして、癌の脊椎転移であったり、結核や一部のばい菌が起因となる脊椎炎のこともあります。
神経症状を呈する脊椎疾患では、罹患部位によって上肢下肢のなかでも特にこのあたり、というように症状の発現する領域がおおよそ決まってきます。神経症状があっても、経過、画像所見などから総合的に判断して、まずは手術でなく外来で保存療法の適応になる場合がほとんどです。ただし、「ごあいさつ」のところで触れましたように、長く経過を見すぎてしまうと病状によっては手術療法でも症状の改善が乏しくなってきてしまう場合がありますので、そのあたりの注意点も含め、患者様おひとりおひとり、どこがどう悪いのか、患者様ご自身のお身体のことですので、画像所見とともに懇切丁寧に説明させていただき、まずはご理解いただいた上で、治療法のご提案をさせていただきます。
主訴が単純な肩凝りや腰痛のみであっても、実は神経症状がまだ出現していない無症候性の椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄が隠れていることもあるのです。それらの多くはあっても軽度の状態にあり将来的に手術の必要性はまずない、恐れることはない程度のものですが例外もあります。当クリニックにはないMRI/CTなどの画像診断が必要になるケースも多いため、連携医療機関で行っていただくか、他院で行ったものがあれば、ご持参いただければそれらの所見があるかご説明させていただきます。脊椎不安定性の要素は神経症状の出現に関わる可能性がありますが、これは逆にMRI/CTでは説明できずレントゲンでの動態撮影が必要となります。こちらは当クリニックでの通常のレントゲン撮影で判明します。詳しくはご来院の上、お気軽にお尋ね下さい。
このような症状の方は、ご相談下さい。
- ■首から後頭部にかけての痛み、首から上肢にかけての痛み痺れ、臀部から下肢にかけての痛み痺れ
- ■上肢下肢の重だるさ、痛み痺れ、筋力低下、筋肉の萎縮、細かい手作業困難、歩きにくい、
つまずきやすい、転びやすくなってきた - ■首や背中、腰などの痛み など
- ■(頸椎・腰椎)椎間板ヘルニア
- ■(頸部・腰部)脊柱管狭窄症
- ■頸椎症、頸髄症、腰部椎間板症
- ■腰椎変性/分離(すべり)症
- ■変性側弯症、脊柱(後弯)変形
- ■脊椎圧迫骨折
- ■脊椎炎 など